正常な細胞をやっつけた代わりに、ちゃんとがんを叩きのめして!

 あまり付き合いたくもないけど、タッキーの副ちゃんとの付き合いはなかなか止められません。

 朝ベッドで目が覚めると、手をグッパグッパしてしびれや強張りを確認します。足首をちょっと回してどんな感じかなぁとギコギコ動かしてみたりします。お腹の具合は、まだいつものように半分気持ち悪いような。起きて立ってみて、その足のむくみ具合にうんざりして、重い足を引きずりながら階段を下りて行きます。洗面所の鏡には頬がアレルギーで赤く、眉毛が無いわたしじゃないような自分がいます。そうだ!髪の毛が無いのにはもう慣れて(それが自分だと)しまっている。

 しもやけの様な、足に出来た赤みの腫れと痛みはピークは過ぎたみたいです。今日は、赤みが枯れた色になって、腫れも引いているようです。やっと手で触ってなでなですることが出来ます。熱を持っていたのも、今日は触っても熱くはありません。これで明日は靴をはけるかな?明日はブロ友さんとデートがあるんだから!

 手の先の感触といえば、日に日に、薬をあの銀色のパックから出す時プチっと押し辛くなってきました。間違えて何かに手先から打つかってしまった時はヒエェイーとなります。食器を洗うのはゴム手を付けていても響くようです。だいふきは上手く洗えません、絞るのは大丈夫。

 もうずーーっと、口から胃のあたりがつかえているみたいで、食欲が失せます。食いしん坊だから食べようとしますが、食べ物の味が美味しくなくって幻滅します。今美味しく感じるものは果物です。りんご、みかん、バナナ、ラ・フランス、、

 
 わたしの体全体に散らばっているだろう小さな小さながん細胞をやっつけてくれる代わりに、たくさんの副ちゃんをくれました。抗がん剤がこんな奴じゃなかったらいいのにと思います。わたしの大事な正常に働いている元気な細胞たちをことごとくやっつけてしまいましたから。

 でも、抗がん剤が無かったら、小さな小さながん細胞をやっつけることが敵いません。体中にばら撒かれた薬、エンドキサン、ファルモルビシンドセタキセル。痛い目にあったけど、わたしを助けてくれた薬たちです。

 最後の最後に、少しやけっぱちになりそうだったけど、わたしを助けてくれる薬たちです。感謝こそしても、嫌いだなんて思わないように。


 今日はシュトーレンを焼きました。クリスマスまで日持ちがしますが、それまでに食べちゃったらまた焼きます。クリスマスの頃、わたしの口は美味しく感じることが出来るのかはわかりませんが、まぁいいわ。