6日目、足のシビレがあるけれど

 11月最後の空の下、わたしの心は羽のように・・

 朝目が覚めた時、昨日より体調がいいことが嬉しかった。もう、後にはいかない。この体調のあとは何もかもが回復するんだ!吐き気も、むくみも、味覚異常も、様々な倦怠感がわたしの体から抜けていく!

 シビレで足がちょっと痛くて靴が履けるかなと思っていたけど大丈夫だったし、銀行に行く用事で車の運転も普通に出来たし。わたし以外の外のようすは、何くわぬ感じでいつものようなのね・・ただ、わたしの体が薬に翻弄されてたと言うだけで。

 約6か月の時が過ぎて、長いトンネルを抜けようとしている。今日の空は美し過ぎると言うこともなく、冬の寒さもなく、吹き抜ける風もなく、ただ淡々と或る一日なのだね。

 街路樹はすっかり紅葉が進み、秋の終わりを教えてくれている。わたしにはこの今日一日の秋が愛おしく感じたのです。体はまだ少ししんどくて疲労感はあるにしても、わたしの目は何を見ても光り輝いてしまう。

 道の途中の光る池のようすも、光の揺れる秋の葉も、向こうからやって来る自転車の回るタイヤにさえも喜びが溢れているような気がして、思わず頬が緩んでしまうのです。

 

 ちょっと浮かれてるかな・・・


 味覚の異常でまだほんとは何を食べても美味しいとは思えないんだけれど、何か作りたくって仕方ありません。夕食はコロッケにしました。

 明日抗がん剤が始まると言う日にたくさん作ったのがコロッケでした。「明日から、わたしはいったいどうなるんだろう?!」すごく不安だったのです。家族に作って置いたもの、それがたくさんのコロッケ。これを作ることでどこか落ち着いてくるような気がしたのかな?

 あれから半年経って、久しぶりのコロッケになりました。冷蔵庫に残っている、かぼちゃとさつま芋の煮ものにジャガイモと山芋を茹でたものをミックスして玉ねぎ、にんじんベーコンを炒めた物と合わせて作りました。

 今のわたしには味わいは分からないのだけど、夫はなんか美味しいて言ってくれた。ミンチが入ってないからあまり美味しくないかもしれないけれど、かぼちゃとさつま芋の煮ものに味がしっかり付いてるから、深い味わいだったかな〜